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クレアチンでハゲるって本当? — 噂の発端になった研究を読む

最終更新: 2026/8/27

結論の先出し

結論から言うと、現在までの研究で「クレアチン摂取が脱毛を引き起こす」 ことを直接示したものは存在しない。噂の発端は2009年の1件の研究で、 そこで測定されたのはホルモン値であって脱毛ではない。2021年の専門家 レビューも「現在のエビデンスは因果関係を支持しない」と結論している。 ただし、この分野の研究自体が少ないことも事実として書いておく。

噂の発端 — 2009年のラグビー選手の研究

大学ラグビー選手20名を対象にしたクロスオーバーRCTで、クレアチンの ローディング期(25g/日×7日)にDHT(ジヒドロテストステロン)が約56%上昇し、 維持期(5g/日×14日)もベースラインより約40%高かったと報告された。 DHTは男性型脱毛症(AGA)に関与するホルモンであるため、この結果が 「クレアチン→DHT上昇→ハゲる」という三段論法の材料になった。

この研究で「測られていないもの」

重要なのは、この試験は脱毛や毛髪の状態を一切測定していないという点。 観察されたのはホルモン値の変化だけで、しかもDHTの値は上昇後も基準 範囲内にとどまっていた。「DHTが上がった」と「髪が抜けた」の間には 大きな飛躍がある。

追試と専門家レビューの結論

この結果を再現しようとした後続研究で、同様のDHT上昇は確認されて いない。クレアチン研究の主要な研究者らによる2021年のレビュー (JISSN掲載)は、脱毛に関する俗説を検証した上で「現在のエビデンスは クレアチンと脱毛の因果関係を支持しない」と明確に結論している。

それでも気になる人へ

AGAの家族歴があるなど、DHTの変化にどうしても敏感にならざるを得ない 事情がある人は、「直接の証拠はないが、単一報告としてDHT上昇の観察は 存在する」という事実を踏まえて判断すればよい。薄毛の進行が気になる 場合は、サプリメントの自己判断より皮膚科専門医への相談が先である。

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参考文献

  1. Three weeks of creatine monohydrate supplementation affects dihydrotestosterone to testosterone ratio in college-aged rugby players (2009・RCT(クロスオーバー・二重盲検)・PMID: 19741313)
  2. Common questions and misconceptions about creatine supplementation: what does the scientific evidence really show? (2021・総説(ナラティブレビュー・JISSN)・PMID: 33557850)