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クレアチン Creatine

クレアチンは筋肉や脳に存在する化合物で、短時間・高強度の運動における エネルギー供給(ATP再合成)に関与する。スポーツ栄養の分野で最も研究数が 多い成分の一つであり、数百件のヒト試験が存在する。食品では肉や魚に 含まれるが、研究で用いられる量を食事だけで摂るのは現実的ではない。

最終更新: 2026/8/27 · 作成: サプリオタク編集部 · 専門家監修: 準備中

結論の先出し

筋力・高強度運動のパフォーマンスに対しては、サプリメント全体の中でも 最も根拠の蓄積が厚い成分。認知機能への効果は研究途上で、確立された ものではない。選ぶならモノハイドレート一択で、HClなど高価な形態に 上乗せ料金を払う科学的根拠は現時点で乏しい。健常者における安全性の 懸念は、推奨用量の範囲では報告されていない。

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クレアチンの効果 — 目的別の科学的根拠

評価基準(4段階): A 複数の質の高いヒト試験で一貫した結果 B ヒト試験で支持されるが数・規模が限定的 C 予備的な報告のみ・結果が不一致 D ヒトでの根拠が不十分

筋力・運動パフォーマンス

A 根拠が強い

短時間・高強度運動のパフォーマンス向上について、数百件のヒト試験で 一貫した結果が報告されている。国際スポーツ栄養学会(ISSN)の公式見解は、 高強度運動パフォーマンスの改善幅をおおむね10〜20%の範囲と整理しており、 下肢(スクワット等)・上肢(ベンチプレス等)それぞれのメタ分析でも有意な 筋力向上が確認されている。スポーツ栄養で最も根拠の蓄積が厚い成分。

研究で用いられる量: 3〜5g/日(維持量)

筋肥大・体組成

A 根拠が強い

レジスタンストレーニングと併用した場合の筋量(除脂肪体重)の増加は、 若年者・高齢者の双方でメタ分析により支持されている。高齢者を対象にした メタ分析では、トレーニング併用時にプラセボ群より除脂肪体重が平均約1.4kg 多く増加した。一方、トレーニングをしない状態での筋肥大効果は確認されて いない。「飲むだけで筋肉がつく」成分ではなく、トレーニングの効果を 底上げする成分と理解するのが正確。

研究で用いられる量: 3〜5g/日(レジスタンストレーニングとの併用が前提)

運動後の回復

B 根拠あり

高強度運動後の筋損傷指標やグリコーゲン回復について、クレアチンが回復を 助ける可能性を示す報告があり、国際スポーツ栄養学会(ISSN)の公式見解でも 回復への応用が言及されている。ただし試験間で結果のばらつきがあり、 筋力・筋肥大ほどの一貫性はまだない。

研究で用いられる量: 3〜5g/日

認知機能

C 研究途上

健常者の認知機能(特に短期記憶・推論課題)への影響を調べたRCTが複数 存在し、睡眠不足などのストレス条件下で効果を示唆する報告がある。 ただし試験数・規模はまだ小さく、結果も一貫していない。研究途上の テーマであり、確立された効果とは言えない。

研究で用いられる量: 研究では5g/日前後が多い

クレアチンの飲み方と用量

維持量として1日3〜5gが研究で最も一般的。ローディング(1日20gを4回に 分けて5〜7日)は任意で、維持量のみでも3〜4週間で筋内クレアチン濃度は ほぼ飽和する。

摂取タイミングの影響は小さいとされる。毎日続けることが最も重要。

効果はいつから?

筋内のクレアチン貯蔵が満ちるまでにタイムラグがある。ローディングを 行えば約1週間、維持量(3〜5g/日)のみなら3〜4週間が目安。飲んだ当日に 体感が出る類の成分ではない。

何と一緒に飲む?

水だけで問題ない。糖質やタンパク質と同時に摂ると筋への取り込みが やや高まるという報告があるため、プロテインやジュースに混ぜるのは 合理的な選択。運動前後どちらでもよい。

カフェインと拮抗する?

「カフェインがクレアチンの効果を打ち消す」という説は1990年代の 小規模な1研究に由来するが、その後の研究では一貫して再現されて いない。コーヒーを我慢する必要はないと考えられる。

休薬(サイクリング)は必要?

不要。「体が作らなくなる」という俗説があるが、摂取をやめれば 内因性の合成は通常に戻るとされ、長期連用による問題は健常者では 報告されていない。

溶け残り対策

モノハイドレートは常温の水に溶けにくく、溶け残り自体は品質の 問題ではない。ぬるま湯を使うか、微粉化(micronized)タイプを 選ぶと扱いやすい。

クレアチンの形態の違い

クレアチンモノハイドレート 有効成分比率 87.9%

最も研究が多く、最も安価。数百件のヒト試験のほとんどはこの形態で 行われている。迷ったらこれで十分。

クレアチンHCl 有効成分比率 78%

水への溶解性は高いが、モノハイドレートより優れていることを示した ヒト試験は不足している。価格が高い分の見返りは現時点で確認できない。

クレアチンの副作用・安全性

腎臓への影響

「クレアチンは腎臓に悪い」という説の主な原因は、摂取によって血中 クレアチニン(腎機能の検査指標)が上がることにある。これはクレアチンの 代謝産物が増えるための見かけ上の変化であり、腎障害を意味しない。 健常者を対象とした長期試験で腎機能の悪化を示した報告はない。ただし 腎疾患の既往がある人は自己判断せず医師に相談を。

脱毛(ハゲる?)

2009年にラグビー選手20名の試験でDHT(脱毛に関与するホルモン)の上昇が 報告されたことが噂の発端。ただしこの試験で脱毛自体は測定されておらず、 同じ結果を再現した追試もない。2021年の専門家レビューは「現在の エビデンスは脱毛との因果関係を支持しない」と結論している。

体重増加と胃腸症状

開始初期に体重が1〜2kg増えることがあるが、これは筋肉内の水分量が 増えるためで、脂肪の増加ではない。一度に大量に摂ると胃腸の不快感や 下痢が起きることがあるため、ローディング時は1回5g程度に分けるとよい。

対象者別のポイント

女性

「ムキムキになってしまう」という心配は誤解で、女性を対象にした研究でも 急激な筋肥大は起きていない。筋力・体組成の改善は女性でも確認されている。

ベジタリアン・ヴィーガン

クレアチンはほぼ肉・魚からしか摂れないため、菜食の人は筋内貯蔵が 低い傾向にあり、補給への反応が大きいことが知られている。認知機能の 研究でも同様の傾向が示唆されている。

高齢者

レジスタンス運動と組み合わせた場合の筋量・筋力維持について研究が 蓄積しつつある分野。運動なしでの効果は限定的とされる。

中高生・ジュニアアスリート

成人ほど安全性データが厚くないため、慎重な立場を取る。使用する場合は 保護者・指導者・医療従事者と相談の上で判断を。

深掘り記事

クレアチンの製品比較 — 1日あたりコストとg単価

化合物の量ではなく有効成分の量で換算した実質コストで比較しています (1日あたりは5g/日換算)。 価格取得日: 2026/8/27

国内公的機関の情報

クレアチンの検査結果・値下げを通知

この成分の製品を第三者機関で検査した結果や、比較表の最安値が更新されたときにお知らせします。

クレアチンのよくある質問

Q. いつ飲むのがいい?

タイミングによる差は小さいという研究が多い。トレーニング前後どちらでも よく、続けやすい時間に固定するのが現実的。

Q. クレアチニンとの違いは?健康診断で引っかかる?

クレアチニンはクレアチンの代謝産物で、腎機能の指標として血液検査で 測定される別の物質。クレアチン摂取で血中クレアチニン値が上がることが あるが、これは腎障害を意味しない。健康診断の際は摂取していることを 伝えるとよい。詳しくは深掘り記事「クレアチンは腎臓に悪い?」へ。

Q. 飲むとハゲるって本当?

現在までの研究で「クレアチンで脱毛」を直接示したものはない。噂の発端に なった2009年の研究でも脱毛は測定されていない。詳しくは深掘り記事 「クレアチンでハゲるって本当?」へ。

Q. 腎臓に悪くない?

健常者の長期試験で腎機能の悪化は報告されていない。検査値(クレアチニン)が 上がるのは見かけ上の変化。腎疾患の既往がある人は医師に相談を。

Q. ずっと飲み続けて大丈夫?休む期間は必要?

休薬(サイクリング)は不要とされる。やめれば体内の合成は通常に戻り、 長期連用による問題は健常者では報告されていない。

Q. カフェイン(コーヒー)と一緒はダメ?

拮抗説は古い小規模研究に由来し、その後一貫して再現されていない。 気にせず併用してよいと考えられる。

Q. 食事だけで摂れない?

肉や魚に含まれるが、研究で使われる5g/日を食事で摂るには生肉換算で 1kg以上が必要になり現実的ではない。だからサプリメントが使われる。

Q. 溶けにくいのは品質が悪い?

モノハイドレートは常温の水に溶けにくい性質があり、溶け残り自体は 品質の問題ではない。ぬるま湯か微粉化タイプで扱いやすくなる。

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参考文献

  1. Three weeks of creatine monohydrate supplementation affects dihydrotestosterone to testosterone ratio in college-aged rugby players (2009・RCT(クロスオーバー・二重盲検)・PMID: 19741313)
  2. Creatine supplementation and lower limb strength performance: a systematic review and meta-analyses (2015・システマティックレビュー・メタ分析・PMID: 25946994)
  3. Creatine Supplementation and Upper Limb Strength Performance: A Systematic Review and Meta-Analysis (2017・システマティックレビュー・メタ分析・PMID: 28044281)
  4. International Society of Sports Nutrition position stand: safety and efficacy of creatine supplementation in exercise, sport, and medicine (2017・ポジションスタンド(学会公式見解・総説)・PMID: 28615996)
  5. Effect of creatine supplementation during resistance training on lean tissue mass and muscular strength in older adults: a meta-analysis (2017・メタ分析(高齢者×レジスタンストレーニング)・PMID: 29138605)
  6. Effects of creatine supplementation on cognitive function of healthy individuals: A systematic review of randomized controlled trials (2018・システマティックレビュー(RCT 6件)・PMID: 29704637)
  7. Common questions and misconceptions about creatine supplementation: what does the scientific evidence really show? (2021・総説(ナラティブレビュー・JISSN)・PMID: 33557850)