クレアチンは腎臓に悪い? — クレアチニン値のからくり
最終更新: 2026/8/27
結論の先出し
結論から言うと、健常者がクレアチンを推奨用量で摂取して腎機能が悪化した ことを示す質の高い証拠はない。「腎臓に悪い」説の大部分は、腎機能の検査 指標であるクレアチニン値が見かけ上上昇することへの誤解に由来する。 ただし腎疾患の既往がある人は話が別で、必ず医師に相談すべきである。
なぜ「腎臓に悪い」と言われるのか
血中クレアチニンは腎機能の代表的な検査指標で、腎臓のろ過機能が落ちると 上昇する。ところがクレアチニンはクレアチンの代謝産物でもあるため、 クレアチンを摂取すれば、腎臓が健康でも血中クレアチニンは上がる。 つまり「材料が増えたから代謝産物も増えた」だけの見かけ上の変化が、 検査値の上では腎機能低下と同じ方向に見えてしまう。これが誤解の正体。
健常者での証拠
健常者を対象にした試験では、数ヶ月から数年単位の摂取で腎機能の 悪化を示した報告はない。国際スポーツ栄養学会(ISSN)の公式見解も、 2021年の俗説検証レビューも、推奨用量での使用において健常者の腎臓への 悪影響を支持するエビデンスはないと結論している。
注意が必要な人
腎疾患の既往・治療中の人、腎機能に不安のある人は、自己判断での使用を 避け、必ず医師に相談すること。このページの情報は健常者に関する研究の 要約であり、個別の医学的助言ではない。
健康診断を受けるときの実務
クレアチンを常用している人が血液検査を受けると、クレアチニン値が 基準値をわずかに超えて「要経過観察」になることがある。検査の際は クレアチンを摂取している事実を医師に伝えると、値の解釈に反映して もらえる。数値だけを見て自己判断で不安になる前に、摂取の事実を 共有するのが最も確実である。
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参考文献
- Common questions and misconceptions about creatine supplementation: what does the scientific evidence really show? (2021・総説(ナラティブレビュー・JISSN)・PMID: 33557850)
- International Society of Sports Nutrition position stand: safety and efficacy of creatine supplementation in exercise, sport, and medicine (2017・ポジションスタンド(学会公式見解・総説)・PMID: 28615996)